初めて大海へ漕ぎだす君へ/Lucy
 
空の色
いつも負けそうになりながら
折れそうになりながら
歯を食いしばって自分を信じた

あの頃はまだ
人を育てるということに
社会が責任を負っていた
それでも
育つことは苦しかった

どんな仕事でも
はじめが一番きついんだよ
一か月頑張れば
次の一か月が見えてくる
一年頑張り抜けば
二年目は少し楽になる
五年十年続ける毎に
きっと実力が付いてくる
辛くてもオールを放さずに
精一杯漕いで行きなさい

そんな言葉が
今の時代に効力を持つのかどうかさえ
実は不明なんだけど

君のボートに
ひらりとカモメが降り立ったなら
それは母さんからの伝言
たまには港に戻っておいで
おいしいご飯作ってあげる




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