冬の終わりは春の始まり/
そらの珊瑚
空き地に
なつかしい
水色の小さな花が
咲き始めれば
私の中でも
息吹く何かを感じる
おかえり
ただいま
膝を折って
のぞきこめば
別名 星の花
と呼ばれる
あなたたちは
太陽と土と雨だけを
よすがにして
つつましやかに
今日まで語り継いできた
おとぎ話を
話してくれる
風と戯れ
かすかに揺れて
けれどたいていは
私の足の方が
先にしびれてしまい
もう何十年と
その結末まで(宇宙まで)
たどりついたためしがない
戻る
編
削
Point
(11)