クローバー/月形半分子
春の野が眩しい訳をおしえてあげようと
詩人がわたしを野に手招く5月
青い空 白い風 豊かな瞳のような草花
春を思うがまま口ずさむわたしに、詩人はウインクひとつくれて、一人のご婦人に目線をおくる
その白髪のご婦人は花冠を美しく編むのに、少女の頃のままに夢中
あちらは、幼子に木登りを教えている初老の紳士。まるでがき大将のように得意げな顔をして
みんな春の子供になって遊んでいる
うさぎのように、ふかふかの若葉のうえで、素足になって
こんな不思議な時計仕掛けのある春の野で
キラキラと子供らと遊ぶ詩人の名はクローバー
どんな時も、転んだ子がいちばん先に
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