戸惑い/ヒヤシンス
朝靄の木々の中を歩いてゆく。
無言の挨拶をうるさく感じている。
今再びの予兆にただ独り、俯き、
それでも精神は前を向こうとしている。
透明なピアノの音が遠くで鳴っている。
音の流れを見い出せず、ただ単音の連なりに反応する。
生を生きている者には生ぬるい感情。
冷たさの極限は死であるか。
ふと甘えたくなるひと時は、つらく、怖い。
厚めのダウンで何から身を守ろうというのか。
小川のせせらぎで鴨が膨れている。
晴れ間を待つのも行動か。
今はまだ、木々の枝先も鋭く、
まるで僕を威嚇しているようだ。
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