創世記/為平 澪
 
い 
文字は味方だったかもしれないし 
絵は友達だったかもしれない 
けれど それにらについて交わす知恵も 
私たちにはなかった 
箱庭を覗いてくる 神の右目と左目 
が、相談しながら、コトバを持たない私たちを 
「甚だよし!」と、されては 庭を手入れする 
ミニュチュアガーデンのなかに 洋服があったとしても 
神は ブドウの葉で 着飾る私たちを赦さなかった 
寒さも痛みもわからず 裸でいるだけの屈辱が 
楽園の道楽者の定義 
(お前たちは私たちの子供、私たちが作り上げた人形 
(生まれたままの可愛い子、何でもしてあげるからココロ、だけは持たないで! 
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)