連詩〜とよよん様と〜「被災地を知らない私たち」/黒木アン
 



桜花びら
くるたびに
あなたが
ひとひら
いるようで

とめられぬ
時はらば
せめて
時によりそい
深くかがんだ
時にでも
それとなく
そばにいたいと
涙散り
薄らぐように


おてんと様に
てらされて
会いにきたいと
生まれくる
命を待って
千年先のその先が
いま願う幸せよりも
もっと幸せで
あるように祈りつづける
東北の
慈しみ
慎み深い人たちの
真実復興
明けわたるまで

水筒の
でこぼこや
誰かが残した
一筆や
いつまいたかなど
知らずの種に
紡がれました想いは
命と未来


等しくあります
ひとつの鼓動
もし
遮るものがあろうとも
誰にも邪魔などできない
心の旅路

浄めの鐘なる
この道で
春の使者愛しく
花びらあつめて

四年目のとき
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