心臓/山犬切
ある時点で
僕は全て
いや全てといえるものがあるということなど
含め
全て疑って
憑かれて毎日日記帳を尖るボールペンで彫刻した
僕の日記は
僕の毎日を綴ったり紡いだりもしたが
それはときに毎日からの夭折を意味した
心臓がうるさかったのも気にせずに
呼吸のみ注意深く
気違いは文を綴った
そこには詩も少し書かれた
破りたくなるのも
捨てたくなるのも忍耐して
それで夏が非常扉を開け放つと
僕の心臓は出て行った
学校へだろうか
行方は知らないし
どうでもよかった
音も立てず床に落ちた
カレンダーは砂浜にとけた
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