「鬼」。。。/為平 澪
 
歩く。歩く。。
歩いても。歩いても。。ピリオド。。。
真夜中の買い出し 捻挫した足で歩いても 恵方はない。

八方塞がりな時は天が空いている、と、
見上げた闇夜は 三日月の薄笑い。
私の見えない陰の部分を 時折擦れ違う車が
引き伸ばしては 引き殺して 逃げて行く。

歩く。歩く。。
後方からついてくる涙の粒。。。
私の姿を切断する横断歩道 白と黒の非情な厳しさ。
(こんな時間に家族に巻き寿司を。
(こんな時間に鬼退治。
(オニハ、ウチ、 オニハ、ウチ、

引き殺された私の影が呪え、と、指差す方向に 家族。
(お父さんが 眠れなくて暴れて
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