star and light/mizunomadoka
技術水準だけで言えば
既に私たちは働かなくても食べていける
次の水準になれば
労働という概念そのものが消える
私たちは生きるために必要な要素を
減らし続けてきた
寒くても死なないように
移動しなくても食べられるように
より速く遠くまで干渉できるように
進化は外側に適応することだから
いずれ私たちは死を克服する
分子結合を任意に切り繋ぎ
別の可能性として機械生命も誕生する
そのほとんどが地球と共に消える
宇宙空間をさまようわずかな者たちも
膨張した無限距離に取り残される
どんなに速く飛んでも
隣の星系にさえ追いつけない
最後の孤独が訪れる
私たちの時は短い
だから、星の光が止まって見える
核融合も愛も記憶も同じエネルギーで
形を変えただけなのに
本当に消え去ったように感じる
私たちは何も知らずに
ずっとここにいる
広がる空間の外には行けなくても
宇宙の始まりが追いついてくる
戻る 編 削 Point(3)