star and light/mizunomadoka
 
技術水準だけで言えば
既に私たちは働かなくても食べていける

次の水準になれば
労働という概念そのものが消える

私たちは生きるために必要な要素を
減らし続けてきた

寒くても死なないように
移動しなくても食べられるように
より速く遠くまで干渉できるように

進化は外側に適応することだから
いずれ私たちは死を克服する

分子結合を任意に切り繋ぎ
別の可能性として機械生命も誕生する

そのほとんどが地球と共に消える
宇宙空間をさまようわずかな者たちも
膨張した無限距離に取り残される

どんなに速く飛んでも
隣の星系にさえ追いつけない
最後の孤独が訪れる


私たちの時は短い
だから、星の光が止まって見える

核融合も愛も記憶も同じエネルギーで
形を変えただけなのに
本当に消え去ったように感じる

私たちは何も知らずに
ずっとここにいる

広がる空間の外には行けなくても
宇宙の始まりが追いついてくる






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