道のさき/……とある蛙
でやってきて
歩き疲れて立ち止り
さすがに歩き疲れて立ち止まった。
そのまま地面に倒れたら
僕の上には空があった。
僕の眼の中には空しか映っていなかった。
空に吸い込まれそうな僕は
そのまま空に吸い込まれてしまった。
また、地面に戻るには時間がなかったから
吸い込まれたまま歌を歌い出した。
空にはたくさんの同類がいて
皆口々に自分の歌を歌っている
ばらばらだった歌がそのうち一つの歌になり、
ばらばらだった心がそのうち一つの歌になり
ばらばらだった気分がそのうち一つの歌になり
歌は空に吸い込まれて、
ふさぎ込んでいた僕の気持ちも
歌と一緒に吸い込まれ
僕らはそのまま空になった
雲の浮かんだ空になった。
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