一重の瞼/瑞海
 
一重の瞼のその奥の
瞳に映る景色は
美しいでしょうか
その中に私
映っていいのでしょうか

まるで毒を飲んでしまったようです
幾分前から苦しいのです
でもこそばゆくて
心地いいのかもしれません

嘘をつくのは簡単です
それを思い込んで
私の“現実”にしてしまうことも

淡い折り紙ビリビリに破いて
一番端の病室から
空へ投げた日に
コロン、と音がして
そこから鼓動がちゃんと聞こえます

扉は重く閉じていて
中には魔物が住んでいて
もうずっと空いていないのです

あなたがノックをするまでは
永遠に眠っていたはずなのに
ふっ、と笑うから
もうどうしようもなくて

この窓から 連れ去られることを
夢みて もう100年



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