哀しみの重量/keigo
―あけましておめでとう
一点の曇りもない幸せを追いかけていた僕は
間違ってたのかもしれないね
毎年届く便りに浮かぶ君の幸福を
僕は認めなければならない
今年もまた寒い中 独りの年を越したよ
恋人たちがささやく言葉も
意味をもたない音のようで
遠い祭囃子みたいに
夜の向こうに消えていきました
一点の曇りもない幸せは本当に幸せかな
哀しみの重量が心地よい
僕はどうせ期待だけを浮かべてもうまく泳げないから
そんな重みを取り去りたいと泣くのはやめた
いつもより少し肌寒いこんなはじまりも
高揚した気持ちでアイドリングして
喜びを浮力に漕ぎ出すのです
疲れたら哀しみをイカリにして
一休みすればいいから
茫漠とした前途でも ただひたすらに
風が吹いたら喜ぼう
陽がでたら遊ぼう
一点の曇りのない幸せなど無かったとしても
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