イド/
佐藤伊織
イドからは3kmあるいた
砂だらけの雑居ビルと
その隙間にある路地に
光が射し込んでは消え
射し込んでは消え
イドは虚ろだった
この階のボタンは押すと
カチャリとなる
頭上の雲に
黒々とした羽
羽
これは
ビニールの匂いだ
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