星が降った聖夜/くみ
 


嬉しい。

ちょっと涙が出てしまいそう。

お世辞とかそんなんじゃなくて、本当に心から嬉しかったからやっぱり涙が出た。

「ぇ……泣いてんのか?どうした?」

「うん、だって……嬉しいんだもん」

「馬鹿……だからって泣く事ないだろ」

どことなくニヤつく彼に自分はまともに正面を向く事が出来なかった。

「こっち向いて」

顔ごと目を反らしていた自分の事を彼が呼ぶと、反射で彼の方を向いてしまう。真正面で向き合った彼はにこりと笑って自分を抱き締めると、頬へ唇へとキスをした。


二人だけのお茶会は、彼の魔法の力で星も降らせてくれた。



(あ……
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