十二月の疼痛/そらの珊瑚
等間隔で並んだハードル
一定のリズムで走り抜けながら
傍から見れば軽々と
それを飛び越えていく
到底私には太刀打ちできないと思わせる
人生が凝縮されたような
すばらしく難しい競技
もちろんそこに勝ち負けはあるけれど
どうやらそれだけが目的じゃないらしい
Happy Christmas
冬の下校時
すでに陽はなく
白い消石灰パウダーで出来たラインは
夕暮れに沈み
彼は
インターバルを繰り返す
ただ黒いだけの人間のシルエットだった
私は十五歳だった
ただ漠然とした未来だけが
グラウンドのその先にあって
何も持っていないという
自覚だけを持っていた季節
私
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