透明人間の声援(エール)  /服部 剛
 
どしゃぶりの雨の中
透けたシャツの後ろ姿のまま
途方に暮れた君が、突ったっている

僕は時空を越えて未来から訪れた
透明人間の旅人だから
声をかけることすらできないけれど
誰よりも親しめる友として
(音の無い声)をそっと、囁こう

なぁ友よ、たとえ
命懸けの恋が破れたって
生まれたての夢が挫けたって
いいじゃないか…

君という物語は
まだまだ
巻き物の如く
未来に向かって何処までものびてゆくだろう

99人にNOと言われたって
ひしゃげた姿勢のまんまじゃ、駄目さ

もしかしたら
100人目の誰かさんが
(あなたの色はすばらしい!)って
絶賛するかもしれないのが
この世の舞台の法則だから

透明人間の僕には、視える

雨の路面を越えて何処までも
つらなる君の足跡と
あの夜明けの空が  






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