彼とぼく/浩一
おまえは詩人じゃなくて死人だ
と
彼が言うので
じゃあ俳人は灰人じゃなくて廃人なのか
と言うと彼は
そうだおまえらのような人種は社会のために
なんにもならない
と
彼が言うので
このレイシスト!
と
言うと彼は
その人種とおれの言う
人種は意味が違う、この馬鹿!
と
彼が言うので
おれは馬ではないまして鹿ではない
まったく人権心外だな
と
言うと彼は
おまえはジンケンシンガイも
ちゃんと漢字で喋れないのか、この阿呆!
と
彼が言うので
まあいいや ところで
歌人はやっぱり火人かね?
と
言うと彼は
火人とはいったい何のことだ!
と
彼が怒鳴り散らすので
まあ一種の放火魔のようなものかな
別の言い方をすると放カマ
客に相手にされないオカマ
ということになる
と
言うと彼は
ひどくあきれはてた
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