如月/あおば
 
で横流し
グラム単位で包装し
選挙の度に値が上がる

節分の豆に怯えたら
鬼は外のかけ声に
帰る住処も無くなった
子供の声は天の声
明日の食べ物無いからと
閉店セールの百貨店
入ったつもりがキャッチバー
グテングテンに酔わされて
あの世の隣で目が覚めた
帰るところは鬼の家
生皮クルリと剥ぎ取られ
血まみれのまま座敷牢

鬼の居ぬ間に散歩して
鬼の住処に連れ込まれ
鬼の奴隷にされたまま
永久の命を保証され
金の卵を産む鶏の
おやつの餌として吊されて
太陽光線浴びたまま
目玉の中まで干涸らびる

如月は水売りの声がして
一椀の水では不足する
宿題すんだら水汲みに
隣の餓鬼も踏み殺せ






作 2001.02.02


戻る   Point(1)