マミレル/瑞海
 

私がわたしの心臓を刺した
私がわたしの声を無くした
私がわたしの動きを止めた

暗い部屋に閉じこもっていた
ずうっと ずうっと
深い青い海の底で蹲っていた
冷たいのもあまり感じないの

でも

そのノックが海を割いたの
そのノックが人工呼吸をして
久しぶりに眼を開いた

冷たいドアノブに手をかけて
回す 開けると感じる 色のついた風
眼下に広がったここは
眩しすぎて 色が塗れてる

少し消えかかった私の足元を
あなたはしっかり見つめて
笑った 刹那
ぐっと手を握りあった

手のひらは薄橙だった 綺麗な

何が可笑しいのか
分からないけど
とりあえず 笑った

今日から私 塗れる

戻る   Point(2)