悲鳴/
めー
手の中に
ひとしずくの、すべて
空から降り
降り積もる、膨大な空白
無人の乗用車が飛んでくるので
僕は少し肩をすくめて歩く
アスファルトの
ちいさな粒子のひとつひとつが
轢き殺されて悲鳴をあげる
また少しちいさくなっただろうか
僕の心臓の中身が窮屈そうに
どくりと鳴る
ちっぽけな呼吸と
ちっぽけな窒息が
胸の中で
小さく食い合う
ひどく透き通った空気の
圧倒的傍観のなかで
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