約束の礎/黒ヱ
 
横一線に 深く傷の入った樹
ここから離れることの出来ないひと
手を添えて

照光の遮りは 心地よくて
未だに傘の輪から 飛び出していくことができない

線の先の遠く はっきりとは見えないまま
番の蝶が飛ぶ 花をつけては透き通る
色の薄れる景色が見え 深きに潜る

「ねえ わたしも あなたじゃないとだめなんだ」

嬉し泣きで綴り 読んだ言葉 
この重さは 遠く咲き 垣間見る
凍った滝のよう


暗闇が降りて歩を進める ひとりで
冷たさが 思い出す日々を迎え入れる
無口なまま

何に怯えて 何に泣いて 至るのか
ただ一つだけ 無くしたもの

空を駆けて
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