日向の道ー武家屋敷にてー/
服部 剛
雲は、風の吹くままに
落葉は、川の流れるままに
我もまた
自らに内蔵された方位磁針の、指すままに
旅の鞄を背負い
腰かけ石から立ち上がる
我が影は
更なる一歩を日向へと、踏み出さん
風に袖をふるわせて
川のせせらぎに背を押され
方位磁針の、指すままに
何処までも明日へ伸びゆく
石畳の道を
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