未詩/うえん
 
未だ詩に成らざるもの申すなり
未だ死に鳴らざるものもう簀なり
いまだしに ならざるも のもう すなり
   未だ死に損ないのものものみちてもうすなり
       (薄ス酢に浸して野蒜ヒサぐものののよるなりサはいえたり)
     もう酢なり桃のもの 物々しくは未だ詩にならずなりたき なり難きもののふのモ
 ノノ物思う死して屍ひろうものあり(すにひたしし酢の酢のさはさよ薄酢の露よ)
        

                            (死してししむら詩にならずとや)

未だ詩に到らぬものおおく死にたり。

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