誕生/
Lucy
いでに言うけど少女のままでいる事なんか
少しもすてきなことじゃない
*
今日 道を歩いていると
渇いた落ち葉がわたしを追い越していった
いつか吹かれたことのある風
知っている風
時の向こうの
さらに向こうの
同じ季節からまっすぐに吹いてきて
四十数年の年月を一足飛びに
吹きぬけて
幼い私に吹いたのと同じその風が
私に届く
《2004年12月「蒼原」70号に掲載の過去作を修正しました》
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