雨の合唱/
服部 剛
無数の雨達はアスファルトに、跳ね
世界を覆う
ざわめきを鼓膜に残して
私は夢から、目を覚ます。
布団から身を起こし、のびをする
朝のひと時。
夢の中で、瞬く間に
姿を消す雨達と
地球という仮の棲家で
儚い一生を生きる人々
降りしきる、雨達も
夜空に囁く、星達も
人の姿の比喩である。
布団から抜け出し、立ち上がる
朝のひと時。
不思議な夢に降っていた
雨の合唱は体内にざわめくまま
何の変哲も無い
今日が始まる。
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