手を伸ばす/はなもとあお
でもいい訳じゃないから
結論は
難しい
わたしは臆病だから
きっと
ちょっとずつ
価値観をはかりながら
距離を詰めていけるくらいの
ゆっくりさで
ちょうどいい
複雑に入り組んだ
愛や夢や希望や
甘えたさ
口にできないまま
他愛ない日常で
少しずつ
表現して
近づけたらいい
身体をかわしたら
簡単に
満たされるみたいで
かなしみは
そんなことを
最後にしたがる
欲望を
理解しない訳じゃないけれど
皆が持っているみたいな
つながりのあたたかさに
憧れながら
深く
途切れない
それを
求め続けている
日常に追われながら
それでも
空白に
手を伸ばす
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