盲目のひと/
服部 剛
朝の信号は、青になり
盲目のひとは白いステッキで
前方をとんとん、叩きながら
今日も横断歩道を渡ってゆく
日々の道程(みちのり)を歩く
惑い無き後ろ姿は
人混みに吸い込まれ
段々…小さくなってゆく
模範解答の無い人生に
心配事はつきもので
不安を膨らませれば果てしない
この世界で
私は毎朝、目を凝らす。
ゆっくりでも確かな道を
とんとん、進む
あの白いステッキに
戻る
編
削
Point
(6)