砂/
深水遊脚
かつてそこは湖だった 生活の毒が冷たい凶風に舞う
ほんの一回噛んだ砂の記憶のために理性で味わう間引き菜の浸し
暗闇も深夜放送も愛せない夜のために砂嵐を録る
撫でた手の力加減が強すぎて崩れた砂を拒絶する咳
砂浴びる雀を眺め風浴びる肌は冷たい鉄塔の下
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