言葉と思い/……とある蛙
になる詩を書いて欲しい
心は全てアクビの中に包まれ
退屈の中に包まれた心は
突然の現実に直面して
口から飛び出して言葉になる。
しかしその言葉は心も思いも包み込めない
とても包み込めずにいつも綻びから
破けている
現実の景色の陰影がハッキリしすぎて
陽の光の端に自分の影を踏む
景色の中に比べ随分と曖昧な影だ
まださようならを言えるわけもなく
違う言葉を吐き出すしかなく
彼女の要望に応えられる日は
このままでは何時までも来ないかも知れない。
だから、書き続ける。
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