望み/
草野春心
せめて、
あなたには桃を食べていてほしい
朝のかなしい光のなか 窓のあたりに椅子を置いて
それ以外なにも望まない
古い歌があなたの心に絶えず降ってくる
潮風のにおいをいつまでもあなたは覚えている
だからわたしはなにも望まない それ以外は
戻る
編
削
Point
(5)