碧夢/瑞海
 
空が暗く静かで

空の色が溶ける海
暗くなって
あなた何かを探すために
背広のまま海へ飛び込んだ

その下に黒い影が見えたから
嫌な予感がして
砂浜の私

必死に手を伸ばしても
あなた振り向かなかった
泣いて叫んでも
あなた少し笑ってた
"君を守らなきゃ"と言って
黒い何かに引きずられている

最後にあなた何か言った
波の音に消されて
一生聞けない別れの言葉

暗転

少し肌寒くて
満月の見える夜を
あなたと手を繋いで歩いた

手を繋いでいるはずだけれど
体温は冷たい というか感じない
悲しいけど与えるのが嬉しい

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