詩暮れ/楽歌
 
産まれようとすることに埋もれようとする

ことばたちはいつだってわがまま

全て、すべて亡くなってしまえ
幾千の墓標に、ひとつ
ひとつと名前を付けて
吐瀉物と戦いながら埋葬したい

ことばたちはいつだってたりない

私は私でありたいと願うのに
誰かの真似事にばかり憧れる
風が、
通りすぎながら耳うらに痛みを遺して
そこから溢れだしたら、世界
私の心臓に言葉を捩じ込んで欲しい

ことばたちはいつだってせつなに



路傍に置き去りのことばたちを
掬い上げて曼珠沙華
繰り返し、刳り返し
払えばまた、袖の戯れ

産まれようとすることに埋もれようとする
吐瀉物と、戦いながら

ことばたちはいつだって
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