胡乱。/あさなぎ
わたしはつまり、難しい言葉を使いたくなって
そうしているとですね、世界はどんどんプラスチックへと。
こじゃれた言い回しなんかしたら誰かに尊敬されるかな、なんて
そうしているとですね、わたしはどんどんプラスチックへと。
台所方面からただよう一週間前のカレーのにおいなんかを嗅ぎながら
こうしてキーボードをぽちぽちしているのですね。
世界はとてもチープなものだと感じるのは
わたしの瞳がプラスチックだからこそでありまして、
そのくせ傲慢が過ぎるのでせめて文体だけでも、ていねい語で。
丁寧、って漢字で書いたらお前ら読めるかな、読めないかな、あほだから。
だなんて思いながら、ていねい語で、朝日のもとへと進むものであります。
目白通りの隅、どぶの乾いた汚泥に沈む夕日を見るものであります。
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