蝸牛/
Lucy
身の程知らずとか
自惚れ
自己満足と言われることが
そんなにも
辛いので
君が背負ってきたのは
身を隠すための
大きくて重い
空っぽの自尊心
翔ぶことも
大洋に漕ぎだすことも
諦めながら
苦い雨を嘗め
薄い葉っぱの水平線に
航跡を残す
渇いた心を切り売りしても
物語は手放さなかった
遠くまで行けなくても
地道な歩みは止めなかった
少しずつ生きてきたのか
それとも少しずつ
死んできたのか
君の航跡は
雨上がりの日を浴びて
ピカピカと光っている
戻る
編
削
Point
(12)