墓参/MOJO
 
をすかしてすいとんを食べたがってるの」
「陰陽師がそう言ったのかい?」
「そうよ、すごく霊力の高い人なの」
「その先生にいくら払ったんだい?」
「お金は取らない立派な人なのよ。それにまだ修行中だから先生じゃないの。でもその人のお師匠さんはすごいのよ。一回の見料が五万円なんだって」
 真澄は、その高潔な陰陽師の卵から紹介されて、偉い先生に見てもらった悩める人が払う五万円から、いくらかの手数料が卵に返ってくる、とは考えないようだ。
「私がつくっても駄目なんだって。ご長男がつくって本人がお供えしないと効きめがないって言うのよ」
「なんだか脅迫みたいじゃん」
「そんなこと言わないで。お願い
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