プロムナード?/凍月
誰もいない画廊に
僕はいる
まだ駆け出しの画家の個展
99の作品
想像していたよりも多くの人に
見て頂いたと思う
満足のいった作品もあった
静かに消えた零がふたり
死と眠り
評価を頂いた作品もあった
すれ違った七重奏と
砂漠に置かれたガラスのコップ
夜
ブランコの調律をして眠る
そして此処は
99と101の間
先が見えない廊下
まだ先は無い
しかし
一番最後は既にある
未来は
その間を埋める
此処は
99と101の間
何も無い廊下
何も無い?
壁に鏡があった
ただの鏡だ
何の装飾もない
鏡は僕を見た
僕は過去を見た
鏡の下には
100という数字が
僕の乱雑な筆跡で刻まれていた
プロムナード
さて、先に進もうか
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