IllKIllU/凍月
昨日君は僕に言った
「もう、終わったの」って
「もう、止めにしましょう」って
「もう、別れましょう」
「あなたが何だか遠くに感じて怖いの」
それから彼女はさよなら二回でごめんなさいを挟んで行ってしまった
一人道で立ち止まり
何も見えないし
何も考えられないし
何で君が
「ごめんなさい」って言ったのか
考えながら
爪が割れるまでこの肌を掻き毟った
ねぇ
ありがとう
君といれて良かったよ
僕は幸福だった
僕は幸運だった
だから、ね
殺してあげる
あなたが好きだった
だからきっと
僕があなたを殺してあげる
世界が灰をかぶった
砂漠の中で一人
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