残酷な悪/川瀬杏香
想像のいたらなさに潜む無知は
残酷な悪
一生涯きえることのない
火傷の痕の様な哀しみ苦しみが
わたしをみないでと
泣きながら
わたしをちゃんと知ってと
泣いている
想像のいたらなさに潜む無知は
残酷な悪
そんな事を思っていたのだろう
幼い頃からずっと
障害ではないという障害が
わたしを阻害し
よのなかに疎外されて
じぶんのなかにも
家族のなかにも潜む残酷な悪を
他人のなかにもみてきた
よのなかでわたしが一番
残酷な悪であるというそぶりで
2014/09/11
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