月明かりの人/瑞海
今日は月で明るいから
すこし外をあなたと歩く
真っ暗だった足元は
いつの間にか明るくなって
手を引いているあなたは
少し寂しそうな顔するんだね
君が地上へ降り立った日
天使かと思ったけれど
君は全否定したよね
羽なんてたいそうなものはついていないし
天使だなんておこがましいです
ここに降り立ったのもなにかの縁かと思います
どうぞよろしくお願いいたします
あの時の透き通る青い眼が
今は霞んでしまったから
月が綺麗だねって言ってみると
そうかなぁと気づいていないように
返事をしていたのに
もう君は
君は
白い衣の端切れを
水に溶かして海に流すと
道が出来て
それが空に映るから
きっと会えると信じて
泣いています
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