笛吹き少年の行くえ(3)/Giton
 
.
   【3】 あやしくも鳴るやみ神楽


   雪 峡(注:下書稿(四)手入れ(2)。ルビはすべて編集者。)

 塵(ちり)のごと小鳥なきすぎ
 ほこ杉の峡(かひ)の奥より
 あやしくも鳴るやみ神楽
 いみじくも鳴るやみ神楽

 たゞ深し天の青原
 雲が燃す白金環と
 白金の黒の窟(いはや)(注:草稿には、「屈」に「山」カンムリの字が書かれている。読みは、他の草稿から「いはや[イワヤ]」。よって、「窟」に作る。)を
 日天子奔(は)せ出でたまふ


この「雪峡」は、『文語詩稿五十篇』にも『文語詩稿一百篇』にも収録{注=『文語詩稿五十篇』
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(3)