笛吹き少年の行くえ(2)/Giton
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【2】“永久の未完成これ完成である”
文語詩に限らず、宮沢賢治の作品(短歌、詩、童話、散文等)は、大部分が自室にひとまとめになって残された遺稿という形で世に与えられたわけですが、この遺稿群に対して、何次かの全集編纂のために編集者が格闘する中で、あるひとつの特異な現象が見えてきました。
それは、──上に「五輪峠」という詩の草稿を例としてお眼にかけましたが──すさまじいとしか言いようのない推敲のあとが見えることです。
しかも、ふつうの作家が、作品の終局的な完成を目指して、研ぎ澄ますように彫琢して行くのとは、賢治の“推敲
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