笛吹き少年の行くえ(1)/Giton
【1】 文語詩から口語詩へ、ふたたび文語詩へ
さいきん、宮沢賢治の文語詩が、再評価されています。
文語書きの賢治詩といえば、例の「雨ニモマケズ」があまりにも有名ですが、これは、死後しばらくたってから発見された手帳に、他の断片や経典の抜書き、および雑多なメモとともに記されていたもので、はたして作者は、詩作の意識をもって書いたかどうか、争いがあります。
戦前から戦時中にかけて教科書等に採用され、誤った《宮澤賢治=聖人伝説》を造り上げた功罪をもつ「雨ニモマケズ」ですが、没後3年目の1936年、故郷花巻の旧居跡に「雨ニモマケズ」詩碑が建てられたことが、この“詩”を有名に
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