山元よしお/馬野ミキ
 
ふと視線を感じて振り返るとおっさんがいた
うちの家のなかである
知らない人だ
こたつでせんべいを食べている
「君はコンピュータばかりしているが何かねプログラマーかね?」とおっさんに言われた
俺は、「いえ、作家です」と言った
「君の本なんてどこにも売ってないじゃないか」とおっさんは言った
一体何なんなんだろうというか ぶしつけな
誰なんだよお前は
するとおっさんは「私は山元よしおだ」と言った
いや名前とかじゃなくてどういう存在なんだよ どういう関係性なんだよ
なんでうちにいるんだよ
どういう理由でうちでごく自然に普通にくつろいでいるんだよ
そんな怒りの目でおっさんを睨むとお
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