未明、みえないまま/渡邉建志
 
るのだろうか。たぶんそうだろう。いやきっと。

ずっと話し言葉で、とても大切なひとの耳元にささやきかけるような(そういう詩が私はずっと書きたかった、そして理想的な形がここに在ってしまった)、おんどでつづられていくこの詩の、最後に、

それはもうすぐだから
瞬きみたいに
君が目を閉じて
開けて
そうすれば
嘘みたいに夜は遠いって
君に言うから

「嘘みたいに夜は遠いって/君に言うから」っていう、胸を衝かれる一節があって、たぶん、夜だし、君は夜だということを知らない(ひょっとしたら本当に夜じゃないのかもしれない)、そしてたぶん、「君」のたぶんみみもとで「言」われる「夜
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