シチュー/
あおい満月
っている
いつも、
遠くへいくなと言ってくれる
左手が手渡した銀の鍵。
電車は水道橋へと
くだっていく。
今ごろは、
きみも寝ているだろうか。
もしもひとつぶの
涙が聴こえたら
掛けてきて良いんだよ。
きみは、
筆を握りながら
あるいはピックを握りながら
月の階段を昇る。
ただいま、
ただいま。
きみよ、それ以上
遠くにならないでほしい。
テーブルの上で湯気を立てている
出来立てのシチューを二人でたべよう。
真っ赤なトマトのシチューを
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