「地縛霊BBA」/桐ヶ谷忍
 
やりその白い光を見てた。
白い光の線はどんどん大きくなっていく。
あたしは腕で涙をこすッて、よく見てみた。
あら、ホントに目がおかしくなッちまったのかしら。
橙色の光の中に、まぶしい白い光があるよ。
あたしは窓の外の夕陽を見てみた。
夕陽のしたに、なにやらもうひとつ太陽があるような、そこから白い光が来ている。

あたしは急になにもかも了解した。
この白い光を目指して歩いていけば、亭主に会えると。

あたしは死んでから初めて、窓の外に、団地の外に出た。
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