さそりの星(ゴルコンダ未投稿)/Giton
 
贋物=いかもの}詩集ぷらぷらとゆすれ
ぼくは枯れはじめた草のうえを大股に踏んで
しらじらと光る小径(こみち) あなたのもとへと

天末を這うさそり 赤い目だま
流れの音だけが耳に繁く
高ぶる心には何の根拠もないけれど
あの星は龍の心臓だったかもしれないなどと

枯れ草と楢の葉と綺麗に塗りこめた赤土の洞がぼくの住処(すみか)
夜空にぶちあけた無数のダイアモンド 壮麗のかがやき
そのひと粒さえ取って贈ることはできないけれど

あの星はあなたとぼくにふさわしいなどと
浮ついた言葉が丘の向うに消えるころ
宵も早半ばを過ぎて 夜空は白い舌を出す
戻る   Point(2)