『平行線』  /あおい満月
 
『平行線』     


とおくで
銃声が泣く
この手と
隣り合った君の手は
こんなに近くにあるのに
ものすごく遠い
銃声が響きわたる
この街の片隅の
四角い空は
君と手を繋ぐための
距離を縮めてはくれない
平行線のこの距離は
交わることを怖れている
この声は喘いでいる
君はまだ、
怯んでいる
耳もとでぐつぐつ
何かが鳴る


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