夜の雨から柱時計へ/間村長
夜の空をずっと眺めて居ると
独り言だけで済んで仕舞う時に全てが満たされて行くのが感じられる
細い糸の様な雨が、分かりづらい雨が止まない
夜の空を細い糸が、分かりづらい雨が降って居る
柱時計のねじまきを頼まれたが
先延ばしして居る
真ん中の円の赤を白にしなくてはならない
真夜中にそれはなされるだろう
台所のスィンクでしずくが落ちるのが時計を成して居る
あらためて夜の空の雨が止まない
降って居ない様に見えて降って居る
執拗に週後半を雨で彩るテロリスト
柱時計の真ん中の赤い円を白に変えなくてはならない
その為にはネジを巻かなくてはならない
私にとってネジを巻くのは時計を動かすためでは無くて
中心の赤を白にするためになされる
戻る 編 削 Point(4)