さそり座と蠍のことども/Giton
しはわたしのからだをだまっていたちに呉れてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸いのために私のからだをおつかい下さい。って云ったというの。そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。いまでも燃えてるってお父さん仰ったわ。ほんとうにあの火それだわ。」
つまり、蠍の悔悟と自己犠牲の祈りが、その身体を燃やし、天空の さそり座になって夜の闇を照らすようになったというのですね。
ここには仏教説話の影響が濃厚ですが、
どこ
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